クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

【「国際法」裁判傍聴報告】=「国は国際法の基本的な理解を間違っている!」次回は9月5日(火)

「日本の入管収容は国際法違反である」と国側を訴えた、クルド難民デニスさんとイラン難民サファリさんの裁判の傍聴報告です。ぜひご覧下さい!

 

国際法」裁判傍聴報告】=「国は国際法の基本的な理解を間違っている!」次回は9月5日(火)

デニスさんとサファリさんに対する入管収容が国際法の人権規約で禁止された「恣意的拘禁」で違法だったと国(法務省・入管)に損害賠償を求めた訴訟の第8回口頭弁論が6月27日、東京地裁で開かれ、この日も40人近い支援仲間たちが傍聴に来てくれました。

この日の弁論では、被告・国側がようやく反論の準備書面を提出したことが確認され、裁判長から今後の双方の主張展開計画などについて尋ねて、次回弁論の日程が決まる静かな審理でしたが、原告側は国内法による国家賠償請求の権利はもちろんながら、国際人権規約を批准した日本政府は、人権規約が命じる賠償に応じる義務があることを強調。特に小川隆太郎弁護士が発言を求め、「これまでの被告側の対応や、出されたばかりの準備書面を見ると『国は、国際法に対する基本的な理解を間違っている』と指摘せざるを得ない!」と厳しく追及しました。

法廷終了後、恒例の弁護士会館での原告側弁護士やデニスさん、サファリさんらの説明&コメント会見では、(1)国側はあくまで国内法の枠内でしか論戦に応じない姿勢だが、条約など国際法の方が国内法より優位な関係にあることは、法律家なら誰でも知っていることで、国の主張・理解は基本的に間違っている(2)まして、今回は国内法である「入管難民法」によって違法な恣意的拘禁が行われ、長期収容などがなされてきた事実の違法性を問題にしているのだから、国内法の枠内では是非を判断できない。従って優位にある国際法で「入管収容」が違法であり、賠償されるべきか否かを検討するしかない(3)国内法で判断できない以上、国際法で賠償が検討されるべきとの点については、裁判長も原告側主張を理解してくれている印象がある・・・などと、わかりやすい説明がありました。

★さらに、(4)このような訴訟自体が珍しく、国際法で国内事件の違法性・賠償責任について検討するという論戦は他に例が無いため、国際法学者たちもこの裁判の成り行きを注目している、(5)そういう画期的な裁判であり、勝訴できた場合には現在の入管法体制を根本からひっくり返し、すべての入管収容者に成果が波及するし、6月の「入管法改悪」の収容部分の意味を無効にできる、歴史的な裁判になっている・・・と、スケールの大きな位置づけも明らかにされました。

弁護士さんたちの話しぶりやデニスさん、サファリさんのお礼・あいさつも、正しい裁判を真っすぐに進めているという自信に満ちた雰囲気に包まれ、集まった支援者らからも繰り返し拍手が沸くなど、これまで以上に一体感を感じることのできる素晴らしい集いになりました。

次回弁論は9月5日(火)午後1時半から同じ東京地裁415号法廷で開かれます。引き続きご支援と傍聴をお願いします。