クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

劇団 トラッシュマスターズの注目の演劇「入管収容所」を観て来ました!

劇団 #トラッシュマスターズ の注目の演劇「 #入管収容所 」。
公演2日目にクルド難民デニスさんと支援者が伺いました。
デニスさんを劇を見ながら重要なシーンになると「こんなに薬を飲んだらおかしくなるよ」「これは殺人だよ」「入管は自分たちのことしか考えていない」と呟いていました。
アフタートークでは、デニスさん、クルド難民デニスさんとあゆむ会の周香織、ウィシュマさんとの面会を続けていらした眞野明美さん、演出の中津留章仁さんと一緒にお話しさせて頂きました。
デニスさんは「本当の入管の収容所はもっとひどいことをされる。それでもこの劇は入管の中のことをすごくリアルに伝えている。特に職員たちの言葉は本当にこういう感じです。劇を作ってくれて本当にありがとうございます」と感謝の言葉を伝えていました。

強烈なメッセージを放つ衝撃の舞台です。緊迫感溢れる展開に目が釘付けになり、2時間半があっという間です。劇中に出てくるシーンやセリフは、支援活動を通じて耳にしたことがある言葉やエピソードが多数盛り込まれており、演出の中津留章仁さんは、入管問題について非常に丹念に調べられたのだと感じました。
様々な背景を持つ収容者、警備や処遇、次長、局長などの入管職員、面会を重ねる支援者や新聞記者、弁護士。様々な立場の人が登場します。
二シュワさんというウィシュマさんをモデルにしたスリランカ人の女性も登場します。
同国人のパートナーから暴力を受け、交番に助けを求めてやってくる二シュワさんが、入管収容施設に移送され、その中で精神的に追い詰められ、やがて体調を崩して衰弱し、必要な医療を受けさせてもらえず命を落としていく。その様子が克明に再現されています。
なぜこんなことが?なぜ助けないのか?瀕死の人に対してなぜこのようなことしかしないのか?入管側の理不尽な対応に多くの疑問が渦巻いていきます。
収容者の命にかかわる状況に直面した時の、入管職員、支援者、それぞれの立場から発せられる言葉は非常にリアルです。とりわけ局長や次長といった人たちの本音とも言える言葉によって、この入管収容問題の根源的なものを知ることができます。
次長役の女性の方の迫力の演技が素晴らしく、なぜ入管はこんなにも頑なな態度を取り続けるのかの理由が分かります。

非常に印象に残ったシーンは、収容されているダキラさんというフィリピン人の男性と、支援者と新聞記者が面会する場面です。
終わりの見えない収容に対してダキラさんは憤ります。支援者の男性は無力感と申し訳なさから涙を流します。それに対してダキラさんから放たれる言葉は、まさに劇を見ている私たちへのストレートなメッセージで、目を逸らすことなく受け止めて欲しいと思いました。

劇の終わりの新聞記者と入管局長が激しく言い合うシーン、そしてそれに続く街頭で収容されている人の家族がチラシを配るシーン。それは、入管収容問題がなぜ長年、改善されないのか、そして改善するには何が必要なのかを示唆しています。
いつもいろいろなところに行ってはチラシを配っているあゆむ会としては、このシーンを入れて下さって、本当に嬉しく思いました。そういう地道な社会への呼びかけが大切なんですよと、励ましてもらったように感じました。感謝の気持ちでいっぱいです。会場でもデニスさん支援のニュースレターを来場者の方全員に配布して下さいました。本当にありがとうございます。

注目の舞台、トラッシュマスターズの「入管収容所」。
中で何が行われているか分からない入管収容所ですが、こうやって再現して追体験できることは、まさに演劇だからできる手法だと思いました。
入管法案が通常国会に提出されるかどうかの絶妙なタイミングに幕を開けました。
日本は様々な背景を持って外国から来た人たちに対してどうあるべきか、今、何をするべきなのか、大きな示唆を与えてくれます。
ぜひ多くの方にご覧頂きたい、お勧めの一本です!


会場でお配りしたデニスさん支援情報ニュースレターはこちらからダウンロードできます。
https://tinyurl.com/2hvpzcvb


TRASHMASTERS vol.37『入管収容所』
作・演出 中津留章仁

2023年2月17日(金) — 2月26日(日) 
@すみだパークシアター倉 [全13回公演]

◆チケットはこちらから!
  http://www.lcp.jp/trash/next.html
 チケットぴあ 
  https://t.pia.jp/
  ※WEB販売のみ。
 カンフェティチケット
  http://confetti-web.com/tm37   
  0120-240-540 [10:00-18:00]