クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

出頭通知書

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先日、東京入国管理局からMさんの自宅に出頭通知書が届きました。
難民認定手続に関し必要がありますので、7月10日(火)に
東京入管難民調査部門に来て下さいという内容でした。

Mさんは昨年8月末に6回目の難民申請を行いました。
今回の出頭は難民調査官による審査(一次審査)のためのインタビューかと思われましたが、
関係者の話によりますと、難民申請を何度も繰り返していると、
一次審査のインタビュー無しで結果が出る場合もある、とのことでした。

インタビューも無しに、審査結果を出すというのは、驚くべき実態でした。

関係者によりますと、事前に確かめる方法の一つとして、
難民審査のための追加資料を出頭日前に入管に提出に行き、
資料を受け取ってもらえれば、審査が続行中なので、出頭日はインタビューがある。
受け取ってもらえなければ審査が終了しているので、出頭日は結果の通知をされるだろう、のことでした。

Mさんはまだ入管に提出していない難民審査の資料があったので、
7/6(金)に東京入管3階に行き、資料提出をしようとしました。
しかし職員から「今日は受け取れません」との返答があり、受け取ってもらえませんでした。
7/10の出頭日はどんなことをするのか職員に尋ねましたが、「その時話します」と言われ、内容は教えてもらえませんでした。

そういったわけで、Mさんは インタビューを受けることなく
7月10日に結果を通知される見通しです。

難民の審査は慎重に行われるべきであり、インタビューも無しに、
難民性を判断することは非常に問題があります。
一度、不認定になったからといって、その人が難民に該当しないということはなく、
不認定になっても再申請を行い、証拠を積み上げていったことで難民認定された人も多くいます。

また、難民申請者の出身国の状況は流動的であるため、母国を出国した後に
政治状況などが悪化し、帰るに帰れず、滞在している国に保護を求める場合もあります(後発的難民)。

Mさんの出身国であるトルコも、近年、クルド人への抑圧が益々強まっていることは、
報道でも明らかになっています。クルド系政党の議員が11名も拘束されている他、
2015年にはトルコ東南部の街ジズレにおいて、外出禁止令下に子どもを含む多くの
クルド市民が「テロリスト掃討」の名の下に治安当局によって殺害されています。
私たちはトルコがクルド人にとって安全な国ではないと考えます。

インタビューも無しに審査結果を出すことは、申請者が自身の状況を自らの口で詳細に語る機会を奪っているため、誤った審査結果を出すことにつながると懸念します。

結果についてはまた追ってご報告いたします。