クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

大村入管ナイジェリア人飢餓死事件の調査発表を受けての共同声明

                                                                                                          2019年10月7日

                                                                                                         クルドを知る会

                                                                                                  日本クルド文化協会

                                                                            クルド人難民Mさんを支援する会

 

大村入管ナイジェリア人飢餓死事件の調査発表を受けての共同声明

 

  法務省出入国在留管理庁は10月1日、長崎県の大村入国管理センター(大村入管)で今年6月、収容中のナイジェリア人男性(40代)が死亡した問題で、死亡の原因は食事や治療を拒否したことによる「飢餓死」という調査結果を公表した。入管庁は「命に危険が及ぶと再三警告したが、本人が強く治療を拒否した」として「対応に問題はなかった」との見解を示している。しかし、わたしたちは入管庁のこの見解に対して、多大な疑問を感じている。

 入管庁はこの男性に早期に仮放免を許可するべきではなかったのか。今も各地の入管で、仮放免を求めてハンガーストライキ(ハンスト)を行う被収容者が大勢いる。その中には多くのクルド人難民申請者が含まれており、入管の対応に問題が無いというのであれば、再び同様の事件が繰り返されることが懸念されるため、わたしたちはここに声明を発表する。

 

 ナイジェリア人男性はなぜ、日本の外国人収容所で餓死しなければならなかったのか。

彼は、過去に窃盗などの罪で4年の実刑判決を受け、服役を経て仮釈放された。しかしその後、2015年11月から大阪入管、2016年7月からは大村入管に収容され、収容期間は3年7ヶ月の長期にわたった。その間、4回の仮放免申請をしたにも関わらず認められなかった。入管は申請却下の理由を「起こした事件が悪質で常習性があり、許可できなかったから」だという。しかし服役により罰を受け、罪を償い、法務省によって仮釈放された外国人を、今度は同省入国管理局が無期限に収容をするというのは、これは二重罰であり、また、犯した罪に対してあまりにも罰が重すぎるといえる。日本人が刑務所から仮釈放された場合は、円滑な社会復帰を図る目的で、刑期満了までは保護観察つきで拘禁状態を解かれる。それなのに、この男性は仮釈放中に外国人収容所で拘束され続け、餓死することになってしまった。

 

 男性は今年5月末に4度目の仮放免を求めてハンストを行い、食事を拒否。その後、点滴などの医療さえも拒否していた。日本人と結婚していたこの男性には、その女性との間に娘がいた。自分の娘と離れ、会えなくなることへの不安などから、帰国を選べなかったという。

 6月18日ごろ、男性は時おり水を口にするだけで、すでにほぼ寝たきりとなっている。6月24日、目を開けたまま反応しなくなった段階で救急車が呼ばれ、搬送先の病院で死亡が確認された。衰弱していく様子は記録されていた。だが、入管はその様子を観察しながら、男性が切実に求めていた仮放免を許可することはなかった。食事と医療を拒否し、人間が自ら死へ向かっていくのを目の前にしながら。それを見つめ続けなければならなかったのは、現場の職員である。

 無期限の収容か、あるいは帰国か。入管が提示する選択肢を選ぶことは、そのどちらもナイジェリア人男性にとって不可能であった。だがあくまでも入管は、冷徹にそれを示し続けた。そのような中で、ひとりの人間としての事情など一切、配慮されることはなく、聴く耳も持たれず、男性がついに生きることへの希望を失ってしまったということは想像に難くない。これが東京オリンピックパラリンピックを控えた日本の、外国人対応の現状のひとつである。

 現在入管が行っている、期限のない長期収容、事情のある人への帰国の強要、そして正規の在留資格が無いことや退去強制令書が出ていることを理由に被収容者を犯罪者のように扱うことは、被収容者に耐え難い苦痛を与えるものであり、特に無期限収容は精神的拷問に等しい。

 自身の生命を守るために迫害国から逃れること、心身の健康を守るために必要な医療を受けること、家族と語り合いともに過ごすこと、不当な身体の拘束を受けないこと。人間には生きていくための当然の権利、基本的人権があるが、現在の長期収容ではそれのどれもが守られていない。このことが被収容者の人間としての尊厳を著しく傷つけている。

 頻発する外国人収容所内でのハンストや自殺未遂、そして自殺には、このような背景があるということを、法相および入管庁は憂慮するべきである。再発防止を考えるのであれば、法相が発表したようなハンストをさせないことや強制治療などによる方向ではなく、まず被収容者の当たり前の人権を回復することが必須であり、急務である。

 

 わたしたちクルド支援三団体は、日本におけるクルド人難民の支援と理解促進のために共に活動している。クルド人集住地区である埼玉県の蕨市川口市における講演会や、都内で開催する展覧会において、現在の入管行政や、長期収容に苦しむクルド人難民の声を直接聴いてもらう機会をたびたび設けてきた。またトルコにおけるクルド人の抑圧について、映像や写真を上映し、クルド人がなぜ日本に来るのかの理解促進に努めてきた。いずれの講演会等においても「クルド人がこういった事情を抱えて日本に来ていることを始めて知った」という方や、「逃げてきた難民が日本の収容所で苦しんでいること、収容によって長期間にわたり家族とバラバラになっていること、収容所内で必要な医療が受けられないことに驚いた」という声を多数頂いている。会場内で、収容されているクルド人難民の仮放免を求める署名活動を行ったところ、非常に多くの方がその場で署名に応じてくれた。

このような事実からもわたしたちは、今の入管行政は日本社会の民意を反映しておらず、多くの人びとが今のような長期収容や送還を望んでいないことを実感している。

 クルド人難民をはじめとする難民申請者は、わたしたち日本社会が受け入れ、共に生きていく人びとであると考える。また難民に限らず、日本に家族がいる人や、日本人と結婚している人、既に日本に長く暮らしている人については、正規の在留資格がないからといって一律に排除の対象にするのではなく、それぞれの事情を鑑み、柔軟に在留を認めるべきである。

近年、在留特別許可は減少傾向にあり、そのことが本来、在留を認められるはずの人が収容されてしまう要因にもなっている。国際的な観点から見れば、長期収容については、2013年に国連の拷問禁止委員会が懸念を表明しいる。また、日本の難民認定率の低さについては、難民条約批准国であるにもかかわらず先進国としての難民保護の義務を果たしていないと、長年、国連からの指摘を受けている。

そして、柔軟性を欠く入菅の姿勢は、日本国内で排外主義的な言説をネットに溢れさせる一因にもなっているのである。

 

 五輪の「治安対策」を優先して収容や強制送還を促進強化していくのではなく、それぞれの人たちが持つ背景や配慮するべき点を丁寧に見ながら、理解を深め、在留を許可していくことこそが、多くの外国人労働者を受け入れ、真の国際化と多文化共生社会をめざす日本が取るべき姿勢ではないだろうか。法務省出入国在留管理庁は、率先してその在り方に道をつける責務があることを指摘する。

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多くの方にご来場頂き、たくさんの反響を頂きました

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「日本に逃れてきた難民は今」の展示をご覧になり、難民が入管収容所に入れられてしまうことにびっくりされる方が、多くいらっしゃいました。

ミニ難民写真展「難民はどこから来たのか」には、多くの方にご来場頂き、たくさんの反響を頂きました。
会場でお話しした方からは「近所に住んでいますが、この写真展を見た人からぜひ見に行った方が良いと言われて来ました。特に、日本に逃れてきた難民が入管に収容されて、更に収容所の中で自殺未遂までしていることにとても驚き、見入ってしまいました」という感想を頂いたり、
「写真を見てとても衝撃を受けました。海外の難民の厳しい状況に驚きましたが、もっと驚いたのは日本に逃れてきた難民の展示で、なぜ逃れてきた難民にこのような追い打ちをかけるのか、とてもショックを受けました」と、驚いた表情で話して下さる方もいらっしゃいました。

アンケートにも多くの方が感想を書いて下さいました。一部をご紹介します。

「再収容を強いられる難民の方の苦難がまとめられており、理解に役立ちました。」

 

「難民は聞いたことがあります。でもこんな難しい生活は、かわいそうです。」

 

「難民の写真展は考えさせられることが多い展示でした。私たちが今やらなければならないことは、沢山あると学びました」

「シリア内戦、腕が途中でなくなっている写真。
いろんな情報を知りました。その中で、自分の国以外に普通に戦いがあって苦しんでいる人が多くいて、同じ時間を過ごしていると思うと悲観的になります。」

 

来場者の方々が、難民の苦しい境遇に心を寄せて下さっていることや、日本に逃れてきた難民が入管の収容施設に入れられ、苦しんでいることに心を痛めていることが伝わってきました。写真の力と文章の力を感じました。
同時に、日本では難民や入管の問題は、まだまだ知られていないことも改めて実感しました。

難民のおかれた状況を丁寧に説明していくことが、やがては日本の難民受け入れにつながっていくだろうと感じました。
これからも支援の輪を広げていくために、発信を続けていこうと思いました。

貴重な写真や記事をご提供いただいた皆様、ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました!

ミニ難民写真展「難民はどこから来たのか」

都内の高校でミニ難民写真展「難民はどこから来たのか」を開催しています。
シリア難民、トルコのクルド難民、そして日本に逃れてきたイランやクルド難民の写真を展示しています。

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ミニ難民写真展「難民はどこから来たのか」を開催

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シリア難民の写真。アレッポや、周辺国に逃れ難民キャンプやトルコの街で暮らすシリア難民の写真を展示。

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日本に逃れてきた難民は今

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トルコにおけるクルド人の抑圧についての展示(写真提供レフィク・テキンRefik Tekin)


シリア難民の写真はフォトジャーナリストのクリスチャン・ヴェルナーChristianWernerさん、共同通信さん、
トルコのクルド難民は、クルド人ジャーナリストのレフィク・テキンRefikTekinさん、
日本に逃れてきた難民は、ジャーナリストの樫田秀樹さんにご提供頂きました。誠にありがとうございます。

ジャーナリスト樫田さんが書かれた、牛久入管で長期収容された後、たった2週間だけ仮放免され、再び収容され、牛久に戻されてしまったイラン人難民サファリさんとクルド人難民デニズさんの記事も掲示しています。
高校生や多くの方に、難民はどのような所から、どのような境遇を背負って逃れてくるのか、そして日本でどのような状況にあるのかを知って頂ければ大変嬉しく思います。

 

講演会は大盛況でした!ご参加ありがとうございました!

 

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講師 木下洋一さん(元入管職員・入管問題救援センター)

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会場は満席となり100人以上の方にご参加頂きました!

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講師 樫田秀樹さん(ジャーナリスト)

 

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トルコにおけるクルド人の抑圧について、2015年から2016年、トルコ南東部の街ジズレで起きた銃撃事件の映像を上映(映像提供 クルド人ジャーナリストRefik Tekin)

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   トルコにおけるクルド人抑圧の写真を展示(写真提供 Refik Tekin)

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講師 大橋毅弁護士(クルド難民弁護団)

 


講演会「入管収容所で何が起きているのか」は100人以上の方にご参加頂き、大盛況となりました。

関心が高まっているということは、それだけ現在の入管収容問題が深刻であることの表れだと思いました。

閉会後もたくさんの方が会場に残り、登壇したクルドの方々に話しかけたり、講師に質問したり、参加者同士で意見交換をされたりと交流を深めていらっしゃいました。
熱気あふれる様子に、参加された方々の今の状況を何とか変えたいという思いが強く伝わって来ました。
今、入管で起きている状況をありのままに知っていただくことが、問題を解決する糸口になると感じました。

講演の一部がアップロードされましたので、ぜひご覧下さい!

 

ジャーナリスト・樫田秀樹さん
「収容者との面会を通じて」
https://youtu.be/LUXx0nRmHzY


クルド難民弁護団 大橋毅弁護士
「長期収容とハンガーストライキ、そして再収容の問題点」
https://youtu.be/a7NHDSrAY7M     

 

アピール
クルドを知る会代表 松澤秀延さん
チョーラク・メメットさん
ウシル・フセインさん
https://youtu.be/zvCORyM9E9E  

 

アピール

東京入管に収容中のコンゴ難民の女性モロコ・ビキラさんの仮放免を求める

夫のカボンゴさん
https://youtu.be/yPZxZeavu30

 

【まだ予約受付しています!】9/23講演会・スライド上映「入管収容所で何が起きているのか」

入管収容問題緊急キャンペーン パネル・写真展と講演会
「わたしを ここから だして 2
-オリンピックの『治安対策』の名の下に 入管収容所で苦しむ外国人の現在(いま)-」
“Get me out from the Immigration Prison”Photo exhibition Part2“

※東京・神保町で開催中の展覧会「わたしを ここから だして2」は9月22日(日)17時で終了となります。お間違えなきようよろしくお願いいたします。

 

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9/23川口メディアセブンにて講演会「入管収容所で何が起きているのか」を開催します!

9/23講演会・スライド上映

「入管収容所で何が起きているのか」

会場:川口メディアセブン プレゼンテーションスタジオ

日時:9/23[月・祝]14:30~17:00 開場14:00 予約制 参加無料
   ※会場にて資料販売
予約フォーム:http://urx2.nu/zsv7
メール:mail@sawarabisha.com  ※@は半角に変えて下さい
電 話:050-3588-6458(さわらび舎・温井)
    ※留守の際は、折り返し連絡いたします。
    ※空席があれば当日参加もできます。
共催 クルドを知る会・日本クルド文化協会・クルド人難民Mさんを支援する会

会場アクセス:
川口市立映像・情報メディアセンター
「 メディアセブン」
キュポ・ラ7階  Tel:048-227-7622

 

講師:
「私が入管職員を辞めた理由」 木下 洋一(元入国管理局職員・入管問題救援センター)
「収容者との面会を通じて」  樫田 秀樹(ジャーナリスト)
スライド・映像上映「トルコにおけるクルド人の抑圧」(提供:Refik Tekin/クルド人ジャー ナリスト)
「長期収容とハンガーストライキ、そして再収容の問題点」 大橋 毅(弁護士・クルド難民弁 護団)