クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

Mさんに仮放免許可が出ました!・【声明文】クルド人難民Mさんの解放について

本日12時過ぎ、クルド難民Mさんに仮放免許可が出ました!支援者が出迎え、Mさんと固く握手を交わしました。Mさんは収容前より体重が6kgも減ってしまい、頬がそげ落ち、髪もかなり白くなっていました。収容が及ぼす心身への影響を改めて感じました。まずは体をゆっくり休め、体調を回復してもらいたいと思いました。
ご支援頂いた皆様、本当にありがとうございました!

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                              撮影:支援者 

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                              撮影:支援者 

 

             クルド人難民Mさんの解放について

 

日本政府に難民認定を求めているトルコ国籍クルド人難民Mさんは、8月23日に東京入国管理局に収容されましたが、この度、約4ヶ月目となる12月19日に仮放免が認められ、解放されました。これまで関心を持って見守ってくださった方々に感謝を申し上げます。

Mさんは1998年にトルコ政府によるクルド人への迫害を逃れて来日。1999年に最初の難民申請を行いましたが認められず、以後、再申請を繰り返しながら既に18年以上、日本に暮らしています。しかし、欧米諸国ではクルド難民を多数認定しているものの、日本における難民認定状況は厳しく、とりわけトルコ国籍のクルド人難民は今まで1人も難民認定されていません。Mさんはトルコでの迫害を恐れ、厳しい認定状況を感じながらも日本での難民申請を続けてきました。そして、日本におけるMさんの法的地位は、「仮放免」という非常に不安定なものでした。

Mさんは8月23日、仮放免の延長手続きのために品川の東京入国管理局を訪れたところ、「就労禁止にもかかわらず就労したため」との理由を口頭で告げられ、仮放免が取り消され、突然収容されました。しかし、難民申請中は生活保護国民健康保険などの社会保障制度が利用できないため、就労せずに生活や病気の治療をすることは非常に困難です。仮に難民認定申請者がアルバイトなどで就労をしたことがあったとしても、突然収容されるほど非難されることではないと私たちは考えます。

また、Mさんは「高血圧」「頸椎ヘルニア」などの病気を患っており、医師の診断書が出ています。毎月通院と服薬をし、治療や経過観察を受けていました。とりわけ高血圧については、 医師の意見書にも「収容中は通院ができないため必要な治療ができず、狭心症や、心筋梗塞を起こしてしまう危険性がある」と指摘されていました。診断書や意見書は、収容前や収容直後に入管に提出していましたが、それでもMさんは長期間収容されてしまいました。その後、私たち支援者は面会のたびに、急激に体重が減っていき、頬が削げ落ち、顔面が蒼白になっていくMさんと相対することになったのです。

今回、仮放免許可が認められたことを、大変嬉しく思います。しかし、解放はされたものの、仮放免という法的地位においては就労が認められず、国民健康保険などの社会保障も利用できません。

これ以上Mさんの健康が損なわれ、重篤な状況に陥らないようにするために、私たちはMさんが「在留特別許可」を取得することが急務だと考えます。日本で安心して暮らし、病気の治療ができるよう、私たちはこれからもMさんを支援していきます。

Mさん収容の報に触れ、ご寄付や署名、激励メッセージ、入管への手紙・FAXアクションなど、様々な形でご支援をしてくださった皆様、Mさんの窮状を広く伝えてくださった報道関係の皆様に心から感謝を申し上げますとともに、今後とも引き続き関心をお寄せ頂き、ご支援頂けますようよろしくお願い申し上げます。

 

 

                                          2017年12月19日

                        クルド人難民Mさんを支援する会 支援者一同

 

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                               写真提供:金浦蜜鷹

12月7日(木)の毎日新聞の朝刊・埼玉版にクルド難民Mさんの記事掲載

クルド難民Mさんの記事が12月7日(木)の毎日新聞の朝刊・埼玉版に掲載されました。ぜひお読み下さい!(収容という緊急を要する状況のため、Mさん了承の上で顔と名前を出しています)。
毎日新聞・埼玉版では全10回にわたって川口市に住むクルド人についての特集を組んでいます。日本に住むクルド人について、ぜひ知るきっかけになさってください。
故郷遥か 川口のクルド人 第1部/2 入管の収容施設 「病気の急変心配」 /埼玉毎日新聞2017年12月7日 地方版
https://mainichi.jp/articles/20171207/ddl/k11/040/137000c

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※画像の一部を加工しています。

 

2017年12月7日(木) Mさんと面会・Mさん早期解放を求める嘆願書の提出

12月7日(木)支援会メンバーとその友人(アメリカ人市民運動家)含めて4人で東京入管に行き、Mさんと面会しました。

その後、入管6階の違反審査部門と4階の総務課に、Mさんの早期解放と
処遇改善のための嘆願書の提出を行いました。
Mさんと面会したところ、1ヶ月前に面会した時よりも更に痩せており、顔色も蒼白という感じで、体調の悪さを感じました。体重は収容前と比べて6kgも減ってしまったそうです。話し方にもなんとなく余裕の無さを感じました。
体調について聞いてみたところ、あまり良くないとのこと。
持病の頸椎ヘルニアによる首や腕の痛みや、ストレスからと思われる胃の痛 み、高血圧による心臓の痛みの回数増加などがありましたが、11月中旬頃からは足の痛みが始まったそうです。左足や左膝がひどく痛むとのこと。布団が柔らかいせいか、畳での生活のせいなのかは分からないが、他の収容者にも同じような症状が出ているとのこと。
10月のことですが、心臓が痛くなったのでロッカーの自分の荷物からニトロのスプレーを出してもらうよう職員にお願いしたものの、様々な確認や手続きがあるのか、出してもらうのに10分ほどかかったとのこと。心臓発作という緊急性を要する対応にこれほど時間がかかることに驚きました。手遅れにならないか不安を感じました。
雑誌DAYSJAPANのフォローアップ記事や支 援者が取材を受けた新聞の記事などを差し入れし、Mさんに見てもらいました。ありがとうございます、と嬉しそうにしていしました。日本語が読める収容者がいるから、その人に読んでもらいます、と言って笑顔を見せてくれました。

面会終了後は入管6階の違反審査部門と4階の総務課に、Mさんの早期解放と処遇改善のための嘆願書の提出を行いました。
Mさんのかかりつけ医が面会し、それをもとに聞き取りした健康状態についての意見書を提出しました。
また、Mさんの収容について取り上げて下さったDAYSJAPANのフォローアップ記事や新聞の記事のコピーも同時に提出しました。Mさんの収容について多くのメディアが関心を持っていること、報道を見た方からたくさん の応援メッセージをいただいていることを、支援者から説明しました。

 

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フォトジャーナリズム雑誌「DAYSJAPAN」12月号に、クルド難民Mさんの解放を求める記事が掲載!

フォトジャーナリズム雑誌「DAYSJAPAN」12月号(11月20日発売)に、クルド難民Mさんのフォローアップ記事が掲載されました!ぜひご覧ください。

DAYSでは、海外で発生する難民についてだけではなく、国内で不当な扱いを受ける難民の処遇の改善を引き続き訴えてくださるそうです。
Mさんだけでなく、日本に逃れたものの、収容されたり、認定されず苦しい生活を余儀なくされている難民申請者は数多くいます。なかなか知られることのない日本の難民問題にスポットを当てていただき、本当に嬉しく思います。

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11月10日(金)入管問題調査会の学習会に参加

11月10日(金)入管問題調査会の学習会に参加。カメルーン国家賠償請求訴訟提訴報告を聞かせていただきました。2014年3月30日、牛久の収容所内でカメルーン人の男性が死亡しました。苦しむ男性の姿がスライドで上映されました。その間の入管の対応に言葉を失いました。
入管問題に関心のある参加者の皆さんに、Mさん収容についてのニュースレターを配布させていただきました。

 

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Mさんと面会・Mさんの早期解放のための嘆願書の提出と在特を求める署名の提出

支援会のメンバーが東京入管に行き、Mさんと面会。入管6階の違反審査部門に、Mさんの早期解放のための嘆願書の提出と在特を求める署名の提出を行いました。

Mさんと面会したところ、前回会ったときより髪が伸びていて、収容前の髪型に近い感じでした。白い髪が伸びている様子に、収容の辛さを感じました。顔色は相変わらず白っぽい感じでした。
体調について聞いてみると、ヘルニアの痛みがひどいそうで首の右後ろが腫れていて、痛い。右腕も痛いとのこと。入管からもらった薬を飲んでいるが、なかなか効き目がないそうです。
また、先日、夜中に心臓が痛くなったので、担当職員に、ニトロのスプレーが自分のロッカーの荷物に入っているから、手元に置かせて欲しいと頼んだそうですが、それはできないと言われたそうです。呼んでくれればすぐに来て荷物から出させてあげるからと。Mさんは高血圧のため、心臓が痛くなった時に備えて、緊急用の口腔スプレーを処方されていました。それを手元に置かせてもらえないのは、とても危険だと感じました。
また、仮放免申請が却下されていたことをMさんは知らなかったようで、
却下を伝えると、いつダメになったの!?と驚いた顔で聞かれました。
10月24日か25日だと弁護士さんが言っていましたと伝えると、
そうですか…、と見る間に眉間にしわが寄り、目が険しく、暗い表情になりました。
当たり前ですがかなりショックだったようでした。
急いで、弁護士さんが近いうちにまた仮放免申請を出すと言っていたことと、支援会顧問の雨宮先生からのメッセージと、私たちMさんが早く外に出られるように頑張りますから!と激励して、面会を終えました。

あっという間の30分でした。
Mさんから、8月23日に仮放免が取り消しになった理由が書かれた書類を、受けとりました。が、中はほぼ黒塗りの驚くべきものでした。

面会後、6階の違反審査部門(仮放免許可を出す部署)を訪れ、Mさんの早期解放を求める嘆願書を提出しました。
面会でMさんが首の痛みを訴えていること、緊急用のニトロのスプレーを手元に置かせてもらえていないこと、入管内で近年死亡事故が頻発しているので、私たちはまたそれが繰り返されないか憂慮していること、クルド難民写真展を開き、Mさんの収容の苦境を多くの人に見てもらったこと、その結果、多くの人がMさんの在特を求める署名に協力してくれたこと、残念ながら今回、仮放免申請は却下されたが、引き続き私たちはMさんの仮放免を求めていくこと、代理人弁護士から近日、仮放免申請が出されること、などを伝え、集まった署名を提出しました。

 

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