クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

7/10 講演会「入管のレイシズムに対するZ世代の取り組み~仮放免者との連帯~」参加報告

7月10日、講演会「入管のレイシズムに対するZ世代の取り組み~仮放免者との連帯~」が開催されました。日本のレイシズムの問題に取り組む学生団体「Moving Beyond Hate」の主催です。対面・オンライン含めて合計75人以上が参加されたとのことで、大盛況でした。
クルド難民デニスさんも講師として参加。入管収容で受けた苦しみや、日本の入管制度の問題点について話されました。
デニスさんが話している内容をスライドで補足説明しながらの進行は、初めて入管や難民の問題を知る方々にもスムーズに理解して貰えると思いました。学生さんたちの丁寧なイベント作りがとても良いと思いました。デニスさんが受けた入管職員から受けた暴行の映像も上映。参加された学生さんは収容施設内での過酷な暴力に、息を飲んでいました。
デニスさんは学生さんたちへのメッセージとして「あなたたちはこの国の未来です。今日、ここで知ったことを知り合いに話して欲しいです。私の暴行事件の裁判が8月5日(金)にあるので、ぜひ聞きに来て欲しい」と話しました。

ジャーナリスト安田浩一さんは「日本社会のレイシズムと入管」をテーマにお話しされました。仮放免という制度の問題点や、入管の仕事は管理、監視、追い出し。そして、せいぜい安く働かせること。入管のなりたちや、技能実習制度の問題点も話されました。
昨年提出された政府の入管法改正案は、多くの若い人たちが声を上げたお陰で、取り下げとなった。入管法改正案は難民申請者を追い出すための法案。難民審査が2回、不認定になったら、3回目以降の申請をしていても強制送還の対象になる。
今秋の臨時国会でまた再提出されようとしている。技能実習制度を廃止することで、入管法改正案を通そうとしている動きもある、と警鐘を鳴らして下さいました。

学生団体「Moving Beyond Hate」メンバーのReikaさんからは「裁判傍聴から見えてきたこと、学生にできること」をテーマに講演。Reikaさんはいつもデニスさんの裁判の傍聴に来て下さる、とても熱心な学生さんです。
学生にできることとして、面会を通じて入管収容施設で起きていることを外に伝え、社会に発信すること、外部でも連携し発信すること、入管収容施設とかかわる病院や、食べ物を納入する食品会社、送還の際に使われる航空会社にもアプローチして、その社会的役割について気付いてもらうこと、などが提起されました。
海外の事例も紹介されました。今年4月に英国政府が打ち出した政策は、ゴムボートなどを使った方法でイギリスに入国した者は、イギリスで難民申請をさせるのではなく、ルワンダに強制送還してそこで難民申請させるというものでした。今にも強制送還されそうな人たちをイギリスの活動家たちが飛行場などに行って抗議し、寸前で送還を阻止したとのことでした。市民の行動が難民申請者を守ったのです。
Reikaさんの発表は、昨年、入管法改正案が取り下げになったことを経験したためか、どれも実践的かつ力強いものでした。
知ることに留まらず、行動すれば社会は変えていけるという、希望に溢れた取り組み。
非常に励まされる思いでした。


イベント告知動画:
https://www.instagram.com/p/CfSnjQ3Jy7O/


日時:7/10 (日) 14:00〜16:30(13:50開場)参加費無料
場所:上智大学6号館ソフィアタワー 301
※オンライン(zoom)でも同時配信を行います。
登壇者:デニズ (クルド難民)
安田浩一 (ジャーナリスト)
Reika (総合グローバル学部4年)
トミー長谷川(Moving Beyond Hate代表)
https://peatix.com/event/3282728