大橋毅弁護士からは「 日本の難民受け入れの問題点と『入管法改正案』」をお話し頂きました。
2015年にトルコ南東部のクルド人が多く住むジズレという街で起きた、地下室に閉じ込められた住民数百人が軍に焼き殺された事件についての、入管庁側の訴訟における説明も紹介。
「治安政策遂行のため、PKK(クルド労働者党)戦闘員支配区域に居住する住民に対して、一定の制限が課されることがあったとしても、それをもって直ちに恣意的かつ不当な人権の制約がなされたとまで言えるものではない」
「トルコ南東部に課せられた規制は治安作戦遂行に伴う必要最低限のものになるように運用されている」など、虐殺行為を容認するかのような入管庁の説明に、強い憤りを感じました。
秋の臨時国会で政府が提出予定の入管法改正案によって、ウクライナ難民を「準難民」として助けるだろうという情報は全くのフェイクであり、この法案が成立しても、ウクライナ難民は難民として認定されない。なぜなら「個別把握説」に基づく迫害の証拠の提出が求められるから。
今、日本の難民行政に本当に必要なのは、外交関係や政局と関係なく、純粋に人道と人権保障の立場から難民を保護するための、独立した第三者機関、ということでした。
示唆に富む様々なお話を伺うことができました。
クルド難民デニズさんからは「入管収容と仮放免生活の苦しみ」として、入管行政に対する怒りをお話し頂きました。
入管収容施設内で処方された薬の中には、国際基準では2錠までしか服用してはいけないとされるものがあったが、デニズさんには倍の4錠もの量が処方されたことをお話し頂きました。この薬を飲むと頭がぼうっとして、意識が朦朧としてしまうため、デニズさんは飲むこと拒否し、常備薬を代わりに出して欲しいと職員に頼んだところ、職員が拒否、デニズさんが抗議すると、職員による集団暴行が始まった、とのことでした。
入管収容施設内での非人道的な対応を垣間見た思いでした。
参加者からは質問も活発に出て、活気あふれる講演会となりました。
オンラインお申込みされた方々には近日、講演の映像をアップしますので、見逃された方はぜひご覧下さい!
一定期間過ぎましたら、どなたにもご覧頂けるよう、公開させて頂く予定です。
政府による「入管法改正案」の再提出阻止に向け、引き続きご注目下さい!