オンライントークイベント「『送還忌避罪』とは何か?」
2020年10月25日
共催 クルドを知る会・日本クルド文化協会・クルド人難民Mさんを支援する会
第三部 「なぜ難民申請を繰り返すのか?送還の恐怖とは?
-トルコ・クルド人居住地域の現地報告を交えて」
中島由佳利さん(クルドを知る会)
32分20秒
時間の関係でトークイベント中にお寄せ頂いた質問の中でお答えしきれなかった
ものにつきましては、こちらに講師の回答を掲載させて頂きます。
たくさんの質問をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
■第三部で寄せられた質問
質問
トルコは難民を多く受け入れている国ですが、どうしてクルド人を迫害し、難民を生み出しているのでしょうか。
大橋弁護士からの回答
難民を受け入れることと、自国内の人権状況は、直接には結びつきません。
世界で一番難民を受け入れてきたのはイランで、アフガニスタンから来た、イスラム教シーア派の人たちを受け入れています(イランもイスラム教シーア派の国)。イスラム教は、一般に、同胞を受け入れる意識があるようです。
しかし、イランがイスラム教の宗教国であるために、イランから逃げる人たちもたくさんいます。
トルコは、現在のシリア内戦から逃れた人を多数受け入れていますが(ただいろいろ問題がありますが)、かつてサダム…フセインに弾圧されたイラクのクルド人がトルコに逃げようとしたときに、これを拒否したこともありました。
全体として完全に人権保障をしている国というのは、考えがたい存在で、各国の人権保障の足りない部分のために人権侵害を受ける人を助け、国際社会が補うのが、難民保護のシステムという見方もできます。