クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

8/10トークイベント「広島で日本の入管、難民問題を考える日本で暮らすクルド難民の今」報告

8月10日、広島で開催しましたはスタッフも含めて25人ほどの方にご参加頂きました。
中国新聞の記者の方も取材に来て下さいました。

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お暑い中多くの方のご参加頂きました。デニズさんもオンラインで参加し、広島の皆さんと交流されました。

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デニズさんは一時旅行許可が出なかったため、Zoomで出演して頂きました。

広島ではクルド人や難民、入管の問題について、あまり知られていないということでしたので、初めての方にも分かり易いような形でお話しさせて頂きました。

基礎知識として難民とはどういう人のことをいうのか、難民条約とは何か、
クルド人とはどのような人達なのかをお話ししました。

トルコにおけるクルド人の迫害、迫害の実態としてクルド人ジャーナリストレフィク・テキンさんが撮影したトルコの治安部隊によるクルド市民殺害の映像上映、
日本になぜクルド人が逃れてくるのか、日本でクルド人が難民申請をするとどうなるのか、などをお話ししました。

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日本でトルコから来たクルド難民が一人も認定されていないことを伝え、他の先進国でのクルド人難民認定数や認定率を示すと、皆さん一様に驚いていらっしゃいました。
迫害の実態の映像をご覧になっただけに、クルド難民を認定しない日本の対応に違和感を感じたようです。

私たちが支援するクルド難民Mさんの紹介をしました。Mさんの家族は3.11の原発事故の影響でトルコに帰国せざるを得なくなってしまったこと、Mさんが入管に収容された時のことなどをお話ししました。
Mさんと会場Lineをつなぎ、参加者の皆さんからいろいろ質問して頂きました。

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私たちが支援しているクルド人難民MさんもLineで出演して下さいました。参加者の質問に答えて下さいました。

「日本政府の対応についてどう感じるか?」「日本に逃れてきた理由は?」などの質問があり、Mさんが丁寧に答えて下さいました。

次にクルド難民のデニズさんの紹介をし、日本人の女性と結婚していること、入管に長期収容されたこと、収容所内で職員から集団で暴行を受けたこと、この暴行事件についてデニズさんは裁判を起こしていることなどをお話ししました。
集団暴行の映像を上映すると、皆さん非常に衝撃を受けられたようでした。

デニズさんと会場をZoomでつなぎ、質問を受けて頂きました。
今回、広島へ行くことが許可されなかったことについての思い、なぜトルコから出なくてはいけなかったのか、入管に収容されていた時の気持ちや様子、仮放免中の苦労、コロナ禍の影響、日本の難民に対する扱いをどう思うか、広島の人へのメッセージなどをお話し頂きました。
会場の方からは、入管収容中にどのような薬がデニズさんに処方されていたのか、などの質問がありました。

お二人のクルド難民の方と日本語でお話ししていただけたことで、会場の皆さんもクルド難民を身近に感じて下さったようでした。

 

今後の動きとして、強制送還を拒む外国人に対して「送還忌避罪」を創設することや難民申請中でも強制送還できるように法改正をすることなどがが国会で審議される可能性があることをお話ししました。
フローチャートを示しながらお話しし、難民申請者や帰国できない事情を抱える外国人達が更に追い詰められていく可能性があることをお伝えしました。

 

最後に支援のお願いとして、Mさんについては在留特別許可を求める署名のお願いを、デニズさんについては裁判費用の支援のクラウドファウンディングの紹介をさせていただきました。
コロナ禍に困窮するクルドコミュニティや仮放免者への支援として移住者と連帯するネットワーク(移住 連)の「新型コロナ 移民・難民緊急支援基金」と反貧困ネットサークささえあいの支援金の「新型コロ ナウイルス 緊急ささえあい基金」をご紹介させていただきました。

 

帰り際に多くの方が、同じ建物のロビーにある写真展の会場にも立ち寄って下さいました。

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ロビーではパネル・写真展「広島で日本の入管、難民問題を考える日本で暮らすクルド難 民の今」を開催中です。

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クルド人ジャーナリスト レフィク・テキンさんのトルコにおけるクルド人の抑圧の写真も展示しています。


クルドの人達は日本では一つの地域に集まって暮らしているのですか?という質問や、
今まで難民のことは遠い存在であると思っていたが、イベントで直接お話しすることができて身近に感じることができて良かった。クルドの人達がどのように生活をしているか教えて頂けたことが嬉しかったです、と感想を言って頂けました。

 

小規模ながらたくさんの交流が持て、温かな雰囲気のトークイベントとなりました。
広島に伺って、本当に良かったと思いました。