クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

展覧会初日・緊急ミニ講演会 「東京入管 クルド難民救急搬送拒否事件について」

展覧会初日です。
階上にて移住連の全国フォーラムが開催されるということで多くの方にお立ち寄り頂きました。ありがとうございます!


フォーラム分科会の終了時間に合わせて、
緊急ミニ講演会 「東京入管 クルド難民救急搬送拒否事件について」を展覧会会場内で開催しました。

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児玉晃一弁護士による講演

 

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東城輝夫弁護士による講演

講演会は大盛況で、立見の方がずらりと会場を囲みました。事件に対する関心の高さを感じました。70人ほどの方が参加して下さいました。
署名はメメットさんもイシルさんも100筆以上集まりました。
ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました!

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立ち見の方が多数いらっしゃいました

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【緊急ミニ講演会 「東京入管 クルド難民救急搬送拒否事件について」レポート】
冒頭、事件についてのニュース映像を上映し、参加者に概要を把握していただきました。
続いて児玉晃一弁護士から、2014年3月牛久入管で起きたカメルーン人男性の死亡事件についての映像を上映。体調不良を訴えたにも関わらず、入管が適切な対応をしなかったため、死に至らしめてしまった事例をご紹介頂きました。
児玉弁護士はこの事件があったため、メメットさんの体調不良についても入管は救急車を呼ぶことはないと感じ、外から救急車を呼んではどうかと提案したとのことでした。
入管というのは収容者についての健康状態については100%の責任を負っている。牛久のカメルーン人の収容者は、日本に来たばかりですぐに収容されてしまった。携帯電話もなく電話も使わせてもらえず、どこに電話すれば救急車を呼べるかも分からない状態であった。あの状態で救急車を呼べるのは入管職員だけだった。にもかかわらず、入管職員はただ見ているだけで、救急車を呼ぼうとせず、カメルーン人男性を死亡させてしまった。
今回のメメットさんの件でも、結果としてメメットさんは救急搬送されなかった。カメルーン人男性の死亡の教訓を何も得ていないと感じた。
入管は収容者の健康について100%の責任を負わなくてはならないので、このメメットさんの事件についても、声明文を出した、とお話し頂きました。


東城 輝夫 弁護士 (上野きぼう法律事務所)からは、事件の現場にいらしたということで、この事件の経緯や入管の対応の問題点についてご説明頂きました。
メメットさんの体調が悪くなったのは3月11日からで、意識を失って倒れたとのこと。
3月12日にメメットさんの面会に入ったご家族が、面会室に入ってきたメメットさんのあまりの衰弱ぶり(両脇を職員に抱えられながら入ってきた)に驚き、自分たちでお金を払うから病院に連れて行って下さいと入管職員に懇願した。職員からは、今日は入管内に嘱託の医師がいるから、その人に診察してもらうと言われたため。やむなくご家族が帰途についた。しかし、実際にはその医師は精神科医であり、診察はされたものの、薬も出して貰えず。メメットさんは再びご家族に電話をかけ、助けてくれ、死にそうだ、と訴え、ご家族はこれはただごとではないと感じ、救急車を呼ぶという流れにつながった。
翌日になっても、メメットさんは病院に連れて行かれることはなかった。
13日の昼頃、東城弁護士は現場に赴き、総務課に抗議を入れるなどした。様々なところからの抗議や、国会議員の働きかけなどもあった模様。どのような力が働いたかは分からないが、メメットさんは13日の午後に、病院に連れて行ってもらうことができた。
しかし、病院でどのような診察がされたのか、当然、家族は知りたいわけだが、弁護士が聞いても、病院の医師からも入管側からも説明は無く、情報開示請求の手続きをしてくれと言われた。開示請求の手続きをしたが、今もその結果が出ておらず、あれだけ人が死にそうだという大事があったにもかかわらず、正確なことが何も分かっていない。
救急隊が帰った経緯についても、判然としない部分がある。自分が総務課に抗議に行った時は、入管内で診察した精神科の医師が、「経過観察だ」と言った。また入管の看護師が定期的に血圧などバイタルチェックをしている。それを救急隊に説明したら、救急隊員はでは、救急搬送する必要はないですね、と言って帰って行った。救急隊員が自主的に帰って行ったような説明を受けた。しかし、ご家族から聞くと、やはりそうではない。ご家族の話では、救急隊員からは入管職員がそう言うので連れ出せませんでした、という説明を受けたとのことでした。どういう経緯で救急隊員が帰ったのかも、経緯がよく分からない。
ただ、一つ言えるのは、救急隊が帰るという判断については、全く医師の判断が介在していないことである。誰がどういう説明をしたのかは分からないけれども、とにかくメメットさんの病状をみて、判断したわけではない。にもかかわらず、救急隊員が二度にわたって帰らされてしまったのも、この事件の問題点です、とお話し頂きました。

 

講演を聴いた皆さんは、とても驚いている様子でした。

 

講演をお聞きになった方が、署名用紙を持って帰ってもっと集めて来たいと仰って下さり、本当に嬉しい限りでした。

この事件を知って非常に憤慨されており「難民が逃げて来たら、日本は心構えをしてきちんと受け入れないといけない。なぜ何も悪いことしていない人を、こんな目に合わせるのか」と、憤っていらっしゃいました。
私たちの展覧会と講演会のメッセージが伝わったのだと感じ、大変嬉しく思いました。
ご講演頂いた弁護士の方々、ご来場頂いた皆様、署名にご協力下さった皆様、本当にありがとうございました!

 

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インパクトのあるポスターを写真に収める方も。

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多くの方にご来場いただきました!