クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

【賛同団体募集】被仮放免者への新型コロナウイルス特別定額給付金(仮称)受給資格付与の請願

「被仮放免者への新型コロナウイルス特別定額給付金(仮称)受給資格付与の請願」について


 本日13時、クルド支援3団体(クルドを知る会・クルド日本文化協会・クルド人難民
Mさんを支援する会)より「被仮放免者への新型コロナウイルス特別定額給付金(仮称)
受給資格付与の請願」を提出しました。
 提出先は内閣総理大臣総務大臣法務大臣および出入国管理庁長官です。
新型コロナ感染予防対策の一つである10万円の給付金は、仮放免者については現状、支給対象から外れており、受給資格がありません。
 しかし実際に地域で暮らしている仮放免者を支給対象から除外することは、感染症予防の観点や人道的の観点から見ても望ましいことではありません。

 今回、給付金の支給対象が4月27日時点で住民基本台帳に記載されている人となっているため、取り急ぎ3団体で提出を行いましたが、二次提出に向けて賛同していただける団体を募集しております。
各団体の皆様にはぜひご検討頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

※賛同いただける団体の方は下記までご連絡ください。

 クルド人難民Mさんを支援する会
 事務局 周
 E-mail shukaori@yahoo.co.jp
     ※@を@に変えてください。

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新型コロナウイルス感染症対策本部長 内閣総理大臣 安倍晋三 殿

総務大臣 高市早苗 殿

法務大臣 森まさこ 殿

出入国在留管理庁長官 佐々木聖子 殿

  

  被仮放免者への新型コロナウイルス特別定額給付金(仮称)受給資格付与の請願

 

【請願の主旨】

今般の世界的困難な状況を、地域住民とともに乗り越えるため、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の対象者として、正規の在留資格を持たない外国人である被仮放免者へも特別定額給付金の受給資格を付与してください。また、今後、被仮放免者の人たちにも、感染拡大防止の取り組みに連帯してもらうため、広範な在留許可をご検討ください。

 

【請願の理由】

⑴ 2020年(令和2年)4月20日 総務省自治行政局 特別定額給付金室より通知された【特別定額給付金(仮称)事業】では、1 施策の目的として、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(2020年(令和2年)4月 20 日閣議決定)において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して、一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う」とあります。

 つまり、この特別定額給付金(仮称)とは、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策のひとつとして、

①「外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある」ので、 

②「人々が連帯して、一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」ため、 

③「感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う」というものです。

 

⑵  3 給付対象及び受給権者 (1)給付対象者 においては、「外国人のうち、短期滞在者及び不法滞在者住民基本台帳に記録されていないため、対象とならない」と明記されています。

 いわゆる非正規滞在者といわれる外国人のなかには、母国で迫害を受け、助けを求めて日本で難民申請中の人や、日本で生まれ育ち生活基盤があったり日本人の配偶者がいるのにも関わらず在留資格が得られない人など、様ざまな事情を持つ被仮放免者たちが多数おります。このような方がたは、在留資格がないため、出入国在留管理庁から自治体への本人居住地の「通知」があるものの、住民基本台帳には登録されておりません。埼玉県蕨市自治体担当者に住民登録されない法的根拠をたずねたところ、「住民基本台帳法」の第三十五条の四十五にある6つの条件(中長期在留者、特別永住者、一時庇護許可者、仮滞在許可者、出生による経過滞在者、国籍喪失による経過滞在者)に該当しないからということでした。

 

⑶ しかし、この世界的な困難のなかで、実際に同じ地域に居住しながら「被仮放免者は住民登録されていないから今回の緊急給付が受けられない」ということになれば、この特別定額給付金(仮称)事業の施策の目的に反することになるのではないでしょうか。  もし、このまま国が被仮放免者を緊急対策から排除すれば、被仮放免者たちは生活に困窮し、外出自粛どころか、知人や親戚宅に借金をするために出歩いたり、身を寄せたりするしかありません。そうなれば望まなくても政府が避けるよう指導している  「3密」の状態をつくらざるを得ず、結果としてそこが集団感染の場、となる危険性が急激に高まります。

 

自治体独自では「住民基本台帳」により被仮放免者を住民登録することは、現実として難しいと思われます。しかし、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策は、他の感染症公的予防接種などの意義や仕組みと同じように、公衆衛生の予防の観点から例外なく誰にでも実施されなければ意味がありません。そのためには、地域住民が等しく緊急対策の支援を受けることが重要となりますので、被仮放免者に対しても例外なく、緊急に特別定額給付金(仮称)事業への受給資格を付与することが必要です。

 

 ⑸ 2020年4月21日の森まさこ法相による閣議後の記者会見で森大臣は、「仮放免については新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、自分が指示をして柔軟に運用されている、(在留)資格についても含めてしっかり検討していく」(要約:全文は*下記参考1)という主旨の発言をされています。また「資格については、被仮放免者についてもその後の事情変更を受けて在留特別許可をすることはある。今回の事態は、一般的な判断と変わらないが、今後についてしっかり現状を把握しておく」(要約:全文は*下記参考2)とも言っておられます。

 

 以上のことを鑑み、緊急に、被仮放免者へも例外なく「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の対象者として、地域の皆さん同様特別定額給付金(仮称)事業()への受給資格付与をお願いいたします。また、今後、被仮放免者の人たちにも感染拡大防止の取り組みに「連帯して、一致団結し、見えざる敵との闘い」に協力してもらうため、広範な在留許可をご検討ください。

 

請願団体
クルドを知る会
クルド日本文化協会
クルド人難民Mさんを支援する会

請願に賛同して下さった団体を下記に追記致します。

・多文化共生プロジェクト
・難民支援コーディネーターズ関西

・関西同志聯盟
・カチカジャ!いばらき
・RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)
・#FREEUSHIKU

・Save Immigrants OSAKA
・あなたの公-差-転
Tsubame - Living Migration
特定非営利活動法人アデイアベバ・エチオピア協会

クルド難民弁護団
・牛久入管収容所問題を考える会

・アナーカ・フェミニズムグループ紅一点

・朝鮮「制裁」やめろデモ実行委員会
クィアスペース準備会
特定非営利活動法人無国籍ネットワーク

日本カトリック正義と平和協議会

三多摩議員ネットワーク

・本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)

   (2020年5月28日18時00分時点)

 

連絡先:クルドを知る会 埼玉県さいたま市浦和区常盤3-18-20-803  代表 松澤秀延

 

*4/21森大臣の記者会見での発言

参考1:「(被仮放免者などを含む)様々な情報についてもしっかり現場を見て情報を確認し、それを元に専門家のご助言を得て、充実や改善を得ていきたいと思っております。仮放免については、今般、新型コロナ感染症拡大を受けて、私の方で指示をして、柔軟に運用されているところでございますが、その状況についてもですね、しっかり把握していきたいと思います。また資格についてもご質問がございましたが、それも含めてですね、タスクフォースでしっかり検討されていくものと思います」

 

参考2:「資格については、退去強制令書発付処分を受けたものについてもですね、その後の事情変更を受けて、在留特別許可をすることはございます。その際も在留特別許可するかしないかについては、個々の事案ごとに在留を希望する理由、素行、人道的な配慮の必要性などを総合的に考慮して行っているところでございます。今般の事態は一般的な判断のあり方に影響するものではないと考えておりますが、今後についてしっかり現状を把握しておきたいと思います。タスクフォースについては、新型コロナウイルス感染対策に特化して、今の緊急事態をどう打開していくかについて話し合うタスクフォースでございますので、この問題だけを緊急的に扱っていきたいと思っております」

 

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