クルド人難民Mさんを支援する会 ブログ

日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会のブログです。支援の状況をタイムリーにお知らせします。 支援会本サイトはhttp://chechennews.org/msan/です。

搬入をしました!ミニ難民写真展「難民はどこから来たのか」

都内の高校の文化祭で難民写真展です。展示作業をさせて頂きました。生徒さんが展示を手伝ってくれました。ありがとうございます。

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ミニ難民写真展「難民はどこから来たのか」の搬入をしました!

日本でなかなか難民受け入れの議論が深まっていかない理由の一つに、難民がどういうところから来たのか、というイメージがなかなか湧かないからだと思います。
ネットを見ていると、難民と移民を混同していいる人たちもかなりいると実感しています。

海の向こうには、空から爆弾が降ってきて住んでいた家を破壊されたり、家族が亡くなってしまったり、自分自身も怪我をして手足を失ってしまう人たちが確かに存在しています。また「テロリスト」討伐という「治安対策」の名の下に、自国の軍隊から無差別に攻撃され、殺害されてしまう人たちもいます。
難民と移民の違いや、なぜ難民は帰国できないのかを知って頂くためには、映像や写真で見ていただくのが一番効果があると感じています。

という訳でミニ難民写真展「難民はどこから来たのか」を、開催しました。
トルコやシリアなど紛争地の写真を展示し、難民がどのような状況下から逃れてきたかを展示しています。

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トルコのクルド人弾圧と、瓦礫となったシリアの街や、隣国のヨルダンの難民キャンプやトルコの街に身を寄せるシリア難民の生活の困難を写真と記事で紹介しています。

 「少数民族として迫害を受ける クルド難民」では、クルド人写真家のRefik Tekinさんの写真を展示。2015年トルコ南東部のジズレなどの街に発令された夜間外出禁止令。そこで起きたクルド市民に対する弾圧をご覧下さい。

 

 「戦渦を逃れて シリア難民」では、激しい戦闘が行われ、瓦礫と化したシリアの街アレッポの様子を展示しています。新進気鋭のフォトジャーナリストクリスチャン・ヴェルナー(ChristianWerner)さんの作品です。
また、戦火から逃れて、隣国であるヨルダン北部のザアタリ難民キャンプや、トルコ南部キリスの街に身を寄せて暮らす、シリア難民の写真も展示しています。共同通信の平野雄吾(Yugo HIrano)さんの作品です。写真の背景をより深く知るために、平野さんが書かれた記事も展示しています。
平野さんはエジプト支局で勤務していましたが、2017年夏以降は日本で勤務されています。入管問題や難民問題が滅多に新聞に載ることがなかった時に、精力的に取材を重ねて、多数の記事を執筆し、配信して下さいました。

 

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「日本に逃れてきた難民は今」のコーナーです。

「日本に逃れてきた難民は今」と題して、日本に逃れてきた難民がどのような状況に置かれているかを解説するコーナーもあります。
日本で暮らすクルド難民の写真や、入国管理局の収容施設などの写真を展示。更にここ数年で更に深刻化した長期収容の実態も展示しています。
ハンガーストライキの末、仮放免が許可されたもののわずか2週間で再び収容され、入管に戻されてしまった、クルド難民デニズさんや、イラン難民サファリさんの写真を展示しています。

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イラン人サファリさんと、トルコ国籍クルド難民デニズさんの写真を展示。ジャーナリスト樫田秀樹さんの記事も。

 

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クルド難民デニズさんのコーナー

 デニズさんとサファリさんの写真の提供は、フリージャーナリストの樫田秀樹さんです。樫田さんが書かれた記事をお読みになれば、長期収容の深刻さがお分かり頂けます。

写真展を通じて多くの高校生や来場された方に、入管や難民の問題を知って頂ければと思います。

 

川崎市平和館にて企画展「非平和展 マイノリティを視点として グローバルの今 ローカルの過去」が始まりました!

川崎市平和館で企画展「非平和展」が、本日から始まりました!クルド人写真家Refik Tekinさんの写真や、クルド人アーティストZehra Doganさんの絵画も多数展示。トルコにおけるクルド人の迫害をぜひお知り下さい!

こちらがチラシです!

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川崎平和館の企画展「非平和展」 2019年11月9日(土)~12月8日(日) 9時~17時

 

チラシの裏面は、会期中の映画上映会のお知らせです!

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会期中の関連イベントとして映画「ラジオコバニ」などを上映。ご予約の上、ご参加下さい!

 

企画展「非平和展 マイノリティを視点として グローバルの今 ローカルの過去」

開催のお知らせ

http://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000110385.html

 


企画展「非平和展 マイノリティを視点として グローバルの今 ローカルの過去」

関連イベント 映画上映会について

http://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000111029.html

J-WAVEに出演し、長期収容問題についてお話しました!

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11/7(木)20:15~20:40、J-WAVE にて、堀潤 さんの「JAM THE WORLD」の特集コーナー「UP CLOSE」にて 大橋毅弁護士(クルド難民弁護団)、周香織(クルド人難民Mさんを支援する会事務局)が入管収容施設で問題になっている長期収容の実態についてお話ししました!

大村入管で死亡したナイジェリア人男性「サニーさん」の飢餓死を受け、法務省内に長期収容の対策のための専門部会が設置されました。それにもかかわらず、河井前法務大臣は「長期収容は送還によって解消する」などのコメントをしており、結論めいたことを先に言うことは、有識者の集まりである専門部会のメンバーを軽視している、と問題点を指摘しました。

法務省の狙いは、難民申請中であっても強制送還ができるように制度を変更することであるとも指摘しました。

放送の最後には、写真展や講演会、入管や難民の情報を集めたRDTO.orgの紹介もしていただきました。

 

2019年11月10日(日)
16:30~19:30
ミニ写真展「難民はどこから来たのか」

都立町田高校 定時制祭 国際交流サークル 204教室
https://twitter.com/kurd_m_san/status/1192360151593865216

 

2019年12月15日(日)

14:00~17:30 開場13:30 ※要予約 https://bit.ly/2ooCCma

入場無料

講演会「果てしなき入管収容からの解放を求めて-国際的人権の視点より-」
川口メディアセブン 
講師:藤田早苗さん (英国エセックス大学HumanRightscenterfellow)
   中島 由佳利さん(ノンフィクションライター)
   大橋 毅さん(弁護士・クルド難民弁護団)
   在日クルド難民アピール


入管・難民情報 集約サイト
Refugees in Detention for the Tokyo Olympics
東京オリンピックのために収容される難民たち
https://www.rdto.org/p/about.html

  

 

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放送作家のきたむらけんじさんとの記念撮影です。

 

12/15講演会仮チラシ裏面に追加情報を掲載しました!

現在、入管収容問題が重要局面にあるため、情報発信を強化することにしました!

12/15講演会仮チラシ裏面に追加情報を掲載!

講演会の概要や、講師の皆さんにお話し頂く内容などをより詳しく載せました。

講演会「果てしなき入管収容からの解放を求めて- 国際的人権の視点より -」では、
講師に英国エセックス大学ヒューマンライツセンターフェローの藤田早苗さんをお迎えし、人権とは何か、というテーマで世界から見た日本の人権状況をお話しいただきます。
その他、ノンフィクションライターの中島由佳利さんが今年9月に行ったトルコ・クルド人居住地区の取材報告、クルド難民弁護団の大橋毅弁護士による長期収容と恣意的拘禁の問題点についての解説、在日クルド人難民による仮放免の生活の困難さや収容への
不安についての発言を予定しております。

 

11/10(日)ミニ写真展「難民はどこから来たのか」

都立町田高校定時制で開催される文化祭でのミニ難民写真展「難民はどこから来たのか」についての情報も掲載。シリアやトルコなど紛争地の写真を展示し、難民がどのような状況下から逃れてきたか、そして、逃れてきた難民が日本でどのような状況に置かれているかを長期収容の実態も交えて展示します。

 

川崎で行われる「非平和展  マイノリティを視点として グローバルの今 ローカルの過去」では、トルコにおけるクルド人弾圧の写真や絵画を展示。クルド人ジャーナリスト   レフィク・テキン(Refik Tekin)さんの写真や、クルド人ジャーナリスト ゼフラ・ドアン(Zefra Dogan)さんの絵画を展示。

映画「ラジオコバニ」の上映もいたします。

参考:企画展「非平和展 マイノリティを視点として

グローバルの今 ローカルの過去」関連イベント 映画上映会について

http://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000111029.html

 

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12/15の講演会仮チラシに追加情報を掲載!

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仮チラシの表面はこちらです。

仮チラシが出来上がったので、早速配布することに。

大きな会議で机上配布させて頂きました。

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チラシを机上配布させて頂きました

また、夜には新宿アルタ前で行われた#FREEUSHIKUさんの呼びかけによる、長期収容に反対するスタンディング行動があったので、その会場でも配布させて頂きました!

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新宿アルタ前で#FREEUSHIKUさん呼びかけの長期収容に反対するスタンディング行動があったので、そちらでも配布させて頂きました

 

Mさん仮放免延長できました!

Mさん無事に仮放免の延長ができました!どうやって生活しているのか?いつトルコに帰るのか?など聞かれたそうです。Mさんは難民申請者のため、トルコに帰国することはできません。

次回の仮放免手続は11月27日(水)です。

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大村入管ナイジェリア人飢餓死事件の調査発表を受けての共同声明

                                                                                                          2019年10月7日

                                                                                                         クルドを知る会

                                                                                                  日本クルド文化協会

                                                                            クルド人難民Mさんを支援する会

 

大村入管ナイジェリア人飢餓死事件の調査発表を受けての共同声明

 

  法務省出入国在留管理庁は10月1日、長崎県の大村入国管理センター(大村入管)で今年6月、収容中のナイジェリア人男性(40代)が死亡した問題で、死亡の原因は食事や治療を拒否したことによる「飢餓死」という調査結果を公表した。入管庁は「命に危険が及ぶと再三警告したが、本人が強く治療を拒否した」として「対応に問題はなかった」との見解を示している。しかし、わたしたちは入管庁のこの見解に対して、多大な疑問を感じている。

 入管庁はこの男性に早期に仮放免を許可するべきではなかったのか。今も各地の入管で、仮放免を求めてハンガーストライキ(ハンスト)を行う被収容者が大勢いる。その中には多くのクルド人難民申請者が含まれており、入管の対応に問題が無いというのであれば、再び同様の事件が繰り返されることが懸念されるため、わたしたちはここに声明を発表する。

 

 ナイジェリア人男性はなぜ、日本の外国人収容所で餓死しなければならなかったのか。

彼は、過去に窃盗などの罪で4年の実刑判決を受け、服役を経て仮釈放された。しかしその後、2015年11月から大阪入管、2016年7月からは大村入管に収容され、収容期間は3年7ヶ月の長期にわたった。その間、4回の仮放免申請をしたにも関わらず認められなかった。入管は申請却下の理由を「起こした事件が悪質で常習性があり、許可できなかったから」だという。しかし服役により罰を受け、罪を償い、法務省によって仮釈放された外国人を、今度は同省入国管理局が無期限に収容をするというのは、これは二重罰であり、また、犯した罪に対してあまりにも罰が重すぎるといえる。日本人が刑務所から仮釈放された場合は、円滑な社会復帰を図る目的で、刑期満了までは保護観察つきで拘禁状態を解かれる。それなのに、この男性は仮釈放中に外国人収容所で拘束され続け、餓死することになってしまった。

 

 男性は今年5月末に4度目の仮放免を求めてハンストを行い、食事を拒否。その後、点滴などの医療さえも拒否していた。日本人と結婚していたこの男性には、その女性との間に娘がいた。自分の娘と離れ、会えなくなることへの不安などから、帰国を選べなかったという。

 6月18日ごろ、男性は時おり水を口にするだけで、すでにほぼ寝たきりとなっている。6月24日、目を開けたまま反応しなくなった段階で救急車が呼ばれ、搬送先の病院で死亡が確認された。衰弱していく様子は記録されていた。だが、入管はその様子を観察しながら、男性が切実に求めていた仮放免を許可することはなかった。食事と医療を拒否し、人間が自ら死へ向かっていくのを目の前にしながら。それを見つめ続けなければならなかったのは、現場の職員である。

 無期限の収容か、あるいは帰国か。入管が提示する選択肢を選ぶことは、そのどちらもナイジェリア人男性にとって不可能であった。だがあくまでも入管は、冷徹にそれを示し続けた。そのような中で、ひとりの人間としての事情など一切、配慮されることはなく、聴く耳も持たれず、男性がついに生きることへの希望を失ってしまったということは想像に難くない。これが東京オリンピックパラリンピックを控えた日本の、外国人対応の現状のひとつである。

 現在入管が行っている、期限のない長期収容、事情のある人への帰国の強要、そして正規の在留資格が無いことや退去強制令書が出ていることを理由に被収容者を犯罪者のように扱うことは、被収容者に耐え難い苦痛を与えるものであり、特に無期限収容は精神的拷問に等しい。

 自身の生命を守るために迫害国から逃れること、心身の健康を守るために必要な医療を受けること、家族と語り合いともに過ごすこと、不当な身体の拘束を受けないこと。人間には生きていくための当然の権利、基本的人権があるが、現在の長期収容ではそれのどれもが守られていない。このことが被収容者の人間としての尊厳を著しく傷つけている。

 頻発する外国人収容所内でのハンストや自殺未遂、そして自殺には、このような背景があるということを、法相および入管庁は憂慮するべきである。再発防止を考えるのであれば、法相が発表したようなハンストをさせないことや強制治療などによる方向ではなく、まず被収容者の当たり前の人権を回復することが必須であり、急務である。

 

 わたしたちクルド支援三団体は、日本におけるクルド人難民の支援と理解促進のために共に活動している。クルド人集住地区である埼玉県の蕨市川口市における講演会や、都内で開催する展覧会において、現在の入管行政や、長期収容に苦しむクルド人難民の声を直接聴いてもらう機会をたびたび設けてきた。またトルコにおけるクルド人の抑圧について、映像や写真を上映し、クルド人がなぜ日本に来るのかの理解促進に努めてきた。いずれの講演会等においても「クルド人がこういった事情を抱えて日本に来ていることを初めて知った」という方や、「逃げてきた難民が日本の収容所で苦しんでいること、収容によって長期間にわたり家族とバラバラになっていること、収容所内で必要な医療が受けられないことに驚いた」という声を多数頂いている。会場内で、収容されているクルド人難民の仮放免を求める署名活動を行ったところ、非常に多くの方がその場で署名に応じてくれた。

このような事実からもわたしたちは、今の入管行政は日本社会の民意を反映しておらず、多くの人びとが今のような長期収容や送還を望んでいないことを実感している。

 クルド人難民をはじめとする難民申請者は、わたしたち日本社会が受け入れ、共に生きていく人びとであると考える。また難民に限らず、日本に家族がいる人や、日本人と結婚している人、既に日本に長く暮らしている人については、正規の在留資格がないからといって一律に排除の対象にするのではなく、それぞれの事情を鑑み、柔軟に在留を認めるべきである。

近年、在留特別許可は減少傾向にあり、そのことが本来、在留を認められるはずの人が収容されてしまう要因にもなっている。国際的な観点から見れば、長期収容については、2013年に国連の拷問禁止委員会が懸念を表明しいる。また、日本の難民認定率の低さについては、難民条約批准国であるにもかかわらず先進国としての難民保護の義務を果たしていないと、長年、国連からの指摘を受けている。

そして、柔軟性を欠く入菅の姿勢は、日本国内で排外主義的な言説をネットに溢れさせる一因にもなっているのである。

 

 五輪の「治安対策」を優先して収容や強制送還を促進強化していくのではなく、それぞれの人たちが持つ背景や配慮するべき点を丁寧に見ながら、理解を深め、在留を許可していくことこそが、多くの外国人労働者を受け入れ、真の国際化と多文化共生社会をめざす日本が取るべき姿勢ではないだろうか。法務省出入国在留管理庁は、率先してその在り方に道をつける責務があることを指摘する。

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