展覧会13日目。
展覧会12日目
6月12日、今日も多くのお客様にご来場いただきました。ありがとうございます。
6月1日の講演会にもご参加頂いた方が、再度お越し下さいました。
講演会で紹介された、東京入管でCさんが救急搬送されなかったことや、牛久入管でカメルーン人の方が死亡させてしまったことなどを知り、
大変衝撃を受けたと話して下さいました。
このようなことになってしまうのは、入管が法律を守っていないことが問題なのですか、それとも元々の法律がそうなっているのですか、とのご質問も頂きました。
大変残念なことですが、入管に長期間、しかも無期限に収容されてしまうことは、現在の法律上は問題が無く、合法的に行われてしまうのです、とお答えしたところ、大変驚いていらっしゃいました。
こういった現状を是正する方法はないのでしょうか、と、真剣な表情で質問して下さいました。
やはり、入管の基準と私たち一般市民の感覚は、かなり掛け離れていると感じる部分が多いので、私たち市民がこのやり方はおかしいですよ、と、目に見える形で表していくことが大切だと思います。
それから、難民の保護は国連の難民条約に基づいて行われるのですが、国連からもたびたび勧告は行われています、と、お答えしました。
夕方、署名を集めていると、とても熱心に展示をご覧になっている若い男性がいらっしゃいました。
この展覧会をどちらでお知りになったのですかと尋ねてみたところ、大学で藤田早苗先生の講演をお聞きになり、この展覧会をぜひ見に行った方が良いと紹介されたので見に来ました、とのことでした。
藤田先生のご紹介でいらした学生さんは、これまでも何人かいらしたので、大変嬉しく思いました。
人権に興味がおありなのですか?と尋ねてみたところ、その学生さんは、自分は大学で英語を学んでいるのですが、そのため、外国から来た人たちと話す機会が多くあります。その人たちは、自分の国の政治や社会の問題はもちろん、日本の問題までよく知っていて、日本人の自分よりも詳しいくらいです。自分も意見を求められることがあるのだが、こういった社会問題について知らないので、全然答えることができない。「日本は良い国だよ!」というような答えしかできないのは、どうかと思ったので、こうやって展示を見に来ました。普通に過ごしていると、こういった人権問題などの情報に触れることができないので、自分で情報を取りにきました、と話して下さいました。
とても嬉しく思いました。
日本では政治や社会問題について話すことをなんとなく避ける傾向がありますが、
海外においてはそうでないことを知って、こうして展示を見に来て下さったのだなと思いました。
藤田先生の講義の影響力を感じました。
異なる価値観の人と対話することで、自分の価値観を広げていけることは、とても素晴らしいことだと感じました。
藤田先生、ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました!
展示する写真を少し増やしました。レフィック・テキンさんが撮られた、ジズレの街の子どもたちの様子です。子どもたちは笑顔ですが、キャプションを読んだところ、過酷な状況でした。
クルドを知る会代表松澤さんより フセインさんとCさん面会報告
6月10日、クルドを知る会代表の松澤秀延さんが東京入管に行かれました。
Cさんとフセインさんの仮放免を求める署名を提出するとともに、収容されているお二人と面会をされました。
松澤さんより面会報告をお送りいただきましたので、掲載させて頂きます。
収容されているお二人も難民申請者がひどい扱いを受けている状況を、市民に知って欲しいと強く要望されています。
多くの方にお読みいただければと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フセインさんと、6月10日の午後に面会をしました。
フセインさんは面会室に足を引きずりながら、壁にやっと体を支えながら単独房から現れました。
体は痩せて別人のようです。食事を胃が受け付けず、食事が出来ないほどです。
フセインさんは5月中旬頃~下旬、ハンガーストライキを行っています。
子どもに会えないのなら生きていても悲しいだけです、という、抗議のハンガーストライキ、収容に反対する抗議のハンガーストライキです。
ハンストの影響があるので脱水症状回避の水分補給をしています。
午前中には、奧さんと2歳の娘とで「家族面会」をすることが出来た、と話してくれました。
家族面会というのは、通常のアクリル板で隔てた面会室での面会ではなく、
アクリル板のない部屋で家族と直接触れ合える形の面会です。
私(松澤)との面会時に無表情だったのが、会話の途中で少し笑顔を見る事が出来ました。
約1年7カ月振りの家族とのスキンシップが出来、本人は絶望の中に小さな光を感じたようです。
父親があまりに痩せていたため、最初、娘はフセインさんを父親とは別人だと思っており(父親のぬくもりの記憶が無いため)父親だと最初は分からなかったようです。
しかし、抱っこをしたり触れ合ったりしているうちに、段々この人は自分の父親だと思いだしたようでした。
子どもが別れ際に安心した笑顔で言った「ガコ(お父さん)バイバイ」という言葉。
不運な我が子に涙が出た、とフセインさんは言いました。
入管側は強硬に収容を長期化することで諦めて帰国させるような退去強制令状を撤回しません。
死亡しても入管側の責任はない個人責任での結果である態度は変えていません。
フセインさんは自ら面会拒否を3月下旬~5月中旬続け、抗議のハンガーストライキをしています。「クルドを知る会」としては抗議のハンガーストライキを止めて体力回復をお願いしています。
家族は皆心配しています。フセインさんには、トルコ警察に12年間拘束され尋問されてきたトラウマが甦っています。
面会時は日本語での会話が出来ましたが小さな弱々しい声で、視野に飛蚊症のような症状が現れ治療も受けられていません。
Cさん
収容期間:1年5カ月
収容場所:東京入管(品川)
午後面会できました。午前中は妻・子どもと親族が面会していました。
体力は先月より少し回復したようですが体重も減り状態は悪いようです。
収容に強く抗議したい。マスコミは正確に報道してください。人として扱って欲しく物や動物ではなく人間である事に気付いて欲しい。仮放免されたら日本市民に強く訴えたい事が多くあります。人権について考えて下さい。
入管には人権意識が無い。自分の事以外関心が無い。
外国人に対す考え方は怖い危険な者を見るような犯罪者に対する眼差し。
日本に庇護を求め逃げてきた人に対して、難民は可哀そうだが、日本で生活して欲しくない。
外国人の犯罪が多く凶悪犯も増えている、などと言われていますが、
本当の実態が分からないから、マスコミなどが強調して報道しているように感じます。
難民に日本いて欲しくないのであるならば難民条約から離脱してください。
人権意識がない国に難民は来ません。
日本はビザ無しで来れる国で、先進国で人権意識もある国と思っていました。
日本は外国人(弱く貧困な人)に対しては冷たい。
特に(日本入国管理庁)強制送還をいつでも出来るなら家族をバラバラにしないで下さい。
子ども達は日本で育った為にトルコ語・トルコ社会は分からない。
トルコ政府が強制送還されてきた者を受け入れる事に対し、日本政府は責任を持ってもらいたい。
外交として強制送還者の安全とクルド民族・文化・クルド語を認めクルド人として安全に暮らせるように(トルコの)エルドアン政権に交渉して欲しい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
難民申請者の長期収容に対して、クルドを知る会、日本クルド文化協会、クルド人難民Mさんを支援する会の連名で声明を提出しましたので、ご報告させて頂きます。
6/9 緊急講演会「改正入管法の陰で 長期収容に苦しむ難民申請者たち」 講師 大橋 毅 弁護士(クルド難民弁護団) を開催しました!
展覧会9日目。
緊急講演会「改正入管法の陰で 長期収容に苦しむ難民申請者たち」と題しまして、
大橋毅弁護士(クルド難民弁護団)による講演会を行いました。
30人ほどの方にご参加いただき、会場は満席となりました。
毎日新聞や東京新聞を見て来られた方や、通りすがりに興味を持って参加してくれた方、たまたま通りかかって興味を持って下さり、チラシをお渡ししたところ、すぐに署名をして下さった方もいらっしゃいました。
大橋弁護士は、静かな口調で分かりやすくお話しして下さいました。
入管の難民申請者や収容者への対応を、スライドで実際の書類を提示しながら
解説して下さいました。
体調不良になっても、入管の収容所内ではすぐに医療が受けられず長期間待たされること、また仮放免許可が出て収容所から出られたとしても、就労禁止などの条件を付けられること、日本人と結婚している人であっても結婚ビザが出ずずっと仮放免状態の人もいること、そういったご夫婦に対して、在留資格は得られないと、入管職員が誤った説明をすることなど、数々の驚くべき事例が紹介されました。
入国管理局の対応に、参加者の皆さんはとても驚いていたようでした。
トルコにおけるクルド人の抑圧の状況を知って頂くために、大橋弁護士からクルド民族についての説明もされました。
続けてクルド人ジャーナリストRefikTekinさんが撮影した、2015年のトルコのジズレという街で起きたトルコ当局によるクルド人弾圧の様子を上映しました。
生々しい映像に、皆さん驚かれているようでした。
収容されているメメット・チョラクさんとイシル・フセインさんのご家族も会場に来て下さったので、ご家族からも現在の苦しい状況をお話しいただきました。
支援者のクルドを知る会の松澤さんから、支援の状況とメメットさん、イシルさんの面会時の様子などをご報告頂きました。
メメットさんが体調不良のため、職員に両脇を抱えられながら面会室に現われたことや、メメットさんに話し掛けても言葉を返すことができず、会話ができなくなっている状態であること、
イシルさんについては、絶望感からか日本人との面会を拒否するようになっており、面会室でガラス板越しではあるが2才の娘さんと触れ合うことだけを心の支えにしているようである、とのご報告がありました。
また、支援者の粘り強い取り組みにより、6月10日(月)にようやく家族面会というガラス板越しではなく直接触れ合える形での面会ができるようになり、
ささやかではありますが、家族の交流が持てるという成果が得られた、とのご報告がありました。
質疑応答では、入管内では収容者が体調不良になって診察を希望しても、
なぜそんなに長期間、診察を受けられないのか?収容者が多すぎて、医者が診察しきれないのか?などの質問がありました。
会の終了後も、大橋弁護士に話し掛けるメディア関係者の方や、クルド難民のドキュメンタリーを撮影されたいということでクルドのご家族に話し掛ける学生の方など、様々な交流が持たれました。
クルド難民にとって大変厳しい状況が続きますが、発信を続けていけば多くの方が関心を寄せて下さるのだと実感しました。
これからも、情報発信を続けていこうと思いました。
大橋 毅 弁護士 (クルド難民弁護団)
講師プロフィール
20年以上にわたりクルド人難民の弁護活動を続ける。クルド難民弁護団事務局長。弁護団は1997年に発足し、トルコ国籍クルド人難民申請者らの法的援助を行っている。東京弁護士会所属。
展覧会8日目
展覧会8日目。
階上の会議室で大きな会議があるということで、展覧会のチラシを机上配布させて頂きました。200枚ほど配布できました。
夕方、署名用紙を回収しに行くと、多くの方が署名をして下さっていました。本当に嬉しく思いました。ありがとうございました!